上記、各種の皮膚疾患の治療に対応しています。
急性期は赤くなったり(紅斑)、じくじくしたり(湿潤局面)、発赤腫脹や水泡が生じ強いかゆみがあります。
慢性化した場合は皮ふが剥けたり(落屑)、ごわごわしてかたくなったり(苔癬化局面)、掻破を繰り返して固い結節が生じ(痒疹)ます。
治療
急性期は炎症を抑えるステロイド外用剤塗布と抗ヒスタミン剤内服をおこないますが、慢性化した場合は過敏反応を起こしにくい皮膚を目指して、保湿剤によるスキンケアと抗ヒスタミン剤内服を基本とした治療をします。
検査
慢性的な湿疹、接触皮膚炎、一部の薬疹では原因を確かめるために血液検査やパッチテストをすることがあります。
血液検査はアレルギーの有無を調べます。
パッチテストは化粧品、洗剤、草花、薬剤、標準アレルゲン、金属イオンなどを用いておこないます。
方法
アレルゲンを2日間貼り付け、2日後に剥し反応を見て、3日後に判定をします。
そのため装着日、2日後、3日後の3回受診が必要です。
可能な受診日は「火、木、金」または「土、月、火」の2通りです。
紅斑、膨疹、強いかゆみが生じます。
時に気管、消化管にも浮腫が生じて、呼吸困難や下痢などの症状やアナフィラキシーショックが起きることがあります。
治療
抗ヒスタミン剤内服を行います。急性じんましんは数回の内服で消褪する場合もありますが、1か月以上続く慢性じんましんは毎日内服し、症状が消褪後少しずつ減量します。
検査
じんましんは心身症とも言われ、客観的原因検索が難しい疾患です。
しかし食物、薬剤、環境物質に対するアレルギーがきっかけになっている場合には血液検査、プリックテストでわかる場合もあります。
方法
プリックテストはアレルゲンエキスを少量皮膚に乗せ、細い針で突いてエキスを浸透させ、15分後の反応を調べます。当院で準備している試薬の他、調べたい物の現物があれば可能です。
乾癬は炎症性角化症と言い、皮膚が赤くなり(紅斑)白いフケ状の角質(鱗屑)が生じ、ぽろぽろと剥がれ落ちる疾患です。
治療
範囲が少ない場合はステロイドまたはビタミンD3外用剤を塗布しますが、広範囲になった場合は、免疫抑制剤内服、光線療法、生物学的製剤の点滴などがあります。完全に治す方法がなく、いくつかの治療法を組み合わせて症状を和らげます。
掌蹠膿疱症は手のひら、足底に炎症が生じ、黄色い膿(膿疱)が繰り返しできる疾患です。
風邪や扁桃炎などの病巣感染、金属アレルギーがきっかけで生じることがあります。
治療
ステロイド外用剤や光線療法をおこないます。病巣感染や金属アレルギーが原因の場合はそれらの除去で改善することがあります。
皮膚腫瘍は診察で手術可能かどうか判断します。可能であれば、手術法、自宅でのケアの仕方、治った後の経過などを説明します。
ご了解いただけたら手術の予約をしていただきます。
治療
ほくろ、いぼの小さいもので、診察またはダーモスコピーで良性と診断できるものは保険適応外になります。
レーザーまたは電気メスで切除し、軟膏を塗り絆創膏で圧迫します。
ほくろ、いぼでも大きいものは保険適応です。メスで切除縫合し、病理組織検査をおこないます。
皮膚腫瘍は大小を問わず保険適応で、切除縫合し、病理組織検査をします。
粉瘤はすべて保険適応です。小さい場合は、穴を開けて内容物と袋を取り出し、内腔を洗浄後、止血圧迫します。自宅でも石鹸で洗い、圧迫してもらいます。自分で圧迫できない場所にある場合や、何度も炎症を繰り返し周囲に癒着している場合は、切除縫合し病理組織検査をおこないます。
とびひは膿痂疹と言い、湿疹、虫刺されなどの掻破で皮膚が傷つき黄色ブドウ球菌や連鎖球菌などの感染で皮膚にびらん、水疱が生じます。
治療
びらん部分を石鹸で洗浄し、乾燥しないように軟膏を塗布、浸出液を吸収できるガーゼ、絆創膏で保護します。
おできは毛嚢炎で生じた膿瘍が大きくなり、発赤腫脹、疼痛が生じるものです。
治療
大きい場合には局所麻酔後切開排膿し、洗浄します。膿瘍ができてから時間がたっている場合は、周囲にも炎症が波及し、かたいしこりやヘドロ状の壊死になっている場合もあります。可能であれば壊死組織も除去します。
真菌感染症が疑われる場合は必ず顕微鏡で胞子、菌糸の有無を調べます。
治療
検出できたときは抗真菌剤の外用または内服をします。
単純ヘルペスと帯状疱疹はヘルペスウイルスが原因です。
治療
出来るだけ早期に抗ウイルス剤の内服を始めます。性器ヘルペスは抗ウイルス剤の少量持続療法が可能です。
水いぼは小さいお子さんに多い表面のツルッとしたいぼで、伝染性軟属腫ウイルスの感染によって発症します。
治療
感染したら拡散しないように、乾燥したところに保湿剤を塗ります。
数ヶ月から3年くらいで免疫が付き脱落します。
時々掻いて化膿することがあり、膿が溜まったときは切開することもあります。
かゆみがある場合は湿疹用の薬を塗ります。
ウイルス性のいぼは表面がざらざらした不整形をしており、感染力が強いので、見つけたら小さいうちに早く治療する必要があります。
治療
液体窒素を用いた凍結療法をおこないます。
非常に痛いので、麻酔クリームを塗布後おこなうようにしていますが、それほど軽減するわけではなく我慢していただくしかありません。
その他レーザー蒸散、接触免疫療法を併用することもあります。
治療
いずれも湿潤療法で治療しています。これは汚れや雑菌を洗い流し、壊死組織を取り除き、乾燥させないことで新しい皮膚組織の再生を促す方法です。ご家庭で入浴洗浄後乾燥しないように軟膏や創傷被服剤をあて、余分な浸出液を吸収します。開放性ウエットドレッシング療法(ラップ療法)も行っており、ご家庭で出来るラップ手作りもご紹介します。
治療
浅い場合は専用の削り器(グラインダー)を用いて削ります。
深く突き刺さっている場合はレーザーで芯を焼灼してから削ります。
治療
テーピングで湾曲した爪を浮かせ、皮膚に刺さらないようにします。
軽度であればレーザー照射で爪を柔らかくして湾曲をなおすこともできます。
爪囲に炎症が及んでいる場合は陥入爪手術をおこないます。
陥入に伴って生じた化膿性肉芽腫は電気メスで焼灼します。
保険適応外ですがワイヤを使った巻き爪矯正法もおこなっています。
治療
<コメドや中等症までのにきび>
にきびは毛孔の詰まりが原因です。
そこで治療は角層剥離作用を持つディフェリン(アダバレン外用剤)または、ベピオ(過酸化ベンゾイル外用剤)を夜に顔全体に1日1回塗布します。
保湿剤を塗ってから塗布すると、古い角質や毛孔の詰まりが溶け、保湿剤が皮膚の再構築を促します。
数ヶ月(できれば6カ月以上)続けることでにきびができにくい皮膚になります。
新しいにきびができなくなった後も、維持療法として継続することをお勧めします。
赤い盛り上がったにきびが多発している場合は、抗菌剤外用を併用したり、デュアック(過酸化ベンゾイル+クリンダマイシン合剤)を塗ります。
<重症のにきび>
抗生剤や漢方の内服、ダイヤモンドピーリング(機械を用いた簡単なピーリング)を併用します。
保険適応外ですがケミカルピーリングも効果があります。
治療
軽症であれば抗アレルギー剤の内服、ステロイド剤外用を行い、脱毛斑が増大、増数している時はステロイドの局所注射も行います。
重症で難治性の場合は液体窒素による毛孔の刺激とDPCPによる接触免疫療法を行っています。
この治療は週1回または2週間に1回行うことをお勧めしています。